「あっれーナルトが落ちてる〜」



普段も今も寝惚けた声は、相も変わらず腹立たしい。

ナルトは大仰な溜息をつき、とりあえず、近すぎる銀色の顔を無表情で押し退け。

害虫駆除という名目で、見事なまでのアッパーカットをお見舞い。







壊レタ殻
「…………前から思ってたんだけど、なんで気絶もしねぇの?」 「打たれ強いのが俺の専売特許だからねぇ〜。あ、あと、ナルトに限っては愛の力?」 「うるさい。黙れ。消え失せろ」 「うわぁーその言い方、先生とそっくり☆」 「だからなんだってんだ、馬鹿上忍っ」 ギリッと奥歯を噛んだナルトが、物珍しげな顔に胡散臭い笑みを乗せているカカシを睨んだ。 睨まれたカカシは、どんな意味であれナルトに構ってもらったことが嬉しいのか、『やだぁ、 コワーイ』としなを作る。 ここで忘れてはいけないのが、カカシが身長180を超える男であること。 それを踏まえて冷静に考えてみても、この上なく気色悪い光景だ。 ただでさえ気分が沈んでいたというのにこれでは、しばらく浮上できそうにない。 「ところでナルト、なんだかとってもすごいことになってるのは俺の気のせい?」 仕切り直したかのような真面目な声に、ナルトは皮肉気に笑って水面に目をやった。 沢から外れた場所にある小さな岩の窪みにできた泉には、黄色がかった真円の月が映ってい る。 その泉に浸していた足を動かすと、綺麗なその姿は波紋によって歪められ、元に戻ってはそ の繰り返しという現象がエンドレスで続いていた。 すらりと伸びた右足をなんの惜しげもなく外気に晒し、膝から下部分を浸からせたナルトは、 明らかに憔悴している。 無造作に置かれた外套とサンダルが、なぜか妙に物悲しかった。 「任務中にちょっとしくじって、硫酸を被っちまっただけだ」 たいしたことはない、と。 あっさり言い切った割には、応急処置は丁寧且つ念入りだ。 カカシは、意外にもすんなりと求めていた答を与えられたことよりも、その内容に驚いた。 「またまたぁー面白い冗談言うねぇ、ナルト」 「テメェが面白かろうがつまらなかろうが知ったこっちゃねぇよ。でもな、こっちだってこ んな不名誉なこと冗談でも言えるかっての」 「…………それ、ホント?」 「だからこーして冷やしてんだろうが。それぐらいの判断もつかねぇのか、上忍」 ナルトに言われ、カカシはまじまじとナルトの右足を見た。 今夜が満月だということもあり、九尾による治癒は順調なようだが、それでも硫酸を浴びた であろう箇所は水の外からでもはっきりとわかった。 元の肌が白いから、余計悪目立ちするのだ。 「う〜ん…………気のせいじゃないみたいだね。どうしてまたこんなことに」 「だから任務でしくじったんだっ」 「ナルトがぁ?嘘デショ?」 「…………お前、俺に何度も同じこと言わせて、実はそうやって楽しんでんの?」 「とんでもない!本心から驚いてマス!!」 「どーだか」 ナルトは慌てふためくカカシを睥睨し、再び視線を水面へと戻した。 静かだ。 なんの音もしない。 ナルトを刺激しないように、森中が息を潜めているのだ。 「ねぇ、ナルト」 「…………んだよ」 「お願い、声掛ける度に怒らないでよ。これフザケてないから、真面目な話だからさ!」 「無駄口を叩かないで簡潔に言え」 「じゃあ言うけど」 カカシはナルトの側にしゃがみ込み、見た目涼やかな横顔を見た。 『見た目涼やか』ということは、そこには別の感情もあるということである。 カカシの目に映るナルトは、苦々しさだけが異様に際立って見えたのだ。 「安曇は?」 馴染み深い名前を耳にし、ナルトは静かな目でカカシを見返した。 「それにあの伊吹とかいうクソ生意気なガキとか、名前しか聞いたことないけど、刹那って 奴とか鴇って奴はどうして側にいないの?ナルトがこんなになってる時に、一人でいなきゃ いけない理由って何?」 遠慮も何もあったもんじゃない、その台詞。 しかし、ナルトは動じず、小さく笑って『一身上の都合』と答えた。 「何、ソレ。喧嘩でもしたの?」 「いや、単に俺のワガママ。…………だけど、そろそろいいかなって思って。やっぱ俺には アイツ等が必要だし」 「あ、いいなぁ〜ナルトにそんなこと言ってもらえて!ね、俺は?俺は?」 「おとといきやがれ」 「…………すっごい扱いの差だねぇ。俺だってそこそこナルトの役に立つ自信あるのよ?ナ ルトのために盾になる覚悟だってあるんだから」 カカシにしてはご立派な心意気だが、その台詞の中に、ナルトが根本的に嫌う言葉があった ことに、カカシは気付いていない。 役に立つ? 結構。 盾になる覚悟? そりゃあすごい。 だが、唯一の例外を除いて駄目なのだ。 「そう言ってるうちは、お前だって里の奴等と変わりゃしないんだ。いっそのこと、あのま ま俺のことを知らないままなら良かったのにな」 その方が、『知っている人間』と『知らない人間』の他に、『知ってはいるが全てではない』 という新しい括りを作らなくてすんだし、余計なことを考えずにいられたから、ずっと楽だ ったのに。 それを、カカシがこっちの都合も考えずに好奇心であんなことをしでかしてくれたせいで、 なんとか釣り合っていた天秤が壊れて。 望んだ訳ではないのに、自分が形成してきた独自の世界に、中途半端に干渉される日々が始 まってしまった。 「勝負運とか金運は良いんだけど、それを差し引いても総合運が悪いんだから仕方ないと言 えばそれまでだよなぁ…………」 「どうしてそんなこと言うの?」 カカシの声は、予想以上に重かった。 悲しみと、それに伴うわずかな怒りの念が、隠されもせずに上乗せされていた。 「ナルトが俺のことを嫌ってるのは知ってるよ。でも、知ってるのと知らないのとじゃ、知 ってる方が良いに決まってるじゃない。少なくとも俺は、本当のナルトと接触できて嬉しい のに」 「感情と現実は別物だ」 「ふ〜ん、そういうこと言うんだ?じゃあさ」 オッドアイを細めたカカシが、楽しげに言う。 「なんで、そんな泣きそうな顔してるの?」 なんの心構えもなく、唐突に突きつけられた言葉。 けして触れられたくはない核心を、触れるどころか鷲掴みにされ、ナルトはバッと顔を上げ る。 驚愕と信じられないという気持ちで、今は濃紺色の目は、限界まで見開かれていた。 形の良い唇は何かを言おうと小さくわなつくが、そこから実際に声が出ることはない。 「うわぁ、すごい動揺ぶり。よっぽど思い詰めてたんだねぇ〜」 赤い写輪眼が、笑う。 彼と同じ目が、ナルトの反応を見て楽しそうに笑う。 いや、笑っているのか? 「あ…………っ」 ナルトはか細い声を上げ、座ったまま後ずさろうとした。 だが、それがいけなかった。 濡れた顔面についた手が滑り、身体のバランスが崩れる。 一瞬できた、隙。 その拍子に伸びてきた手に引かれ、ナルトは固い岩の上に押さえつけられた。 大人と子供だ。 マトモな力勝負では叶うはずもない。 しかも、その相手が写輪眼のカカシである。 ナルトは馬鹿正直な反応を返してしまった自信を恨んだが、そうすることでこの状況が回避 できる訳ではないのだ。 そもそも、今のナルトにそこまで考える余裕はなかった。 「そうやって逃げるのは、ナルトが嫌いな大人の使う常套手段なんじゃないの?」 「う、るさい…………離せっ」 「ん〜どうしよっかなぁ〜♪今すっごく楽しいし、ナルトが情緒不安定になってる原因を教 えてくれたら考えてもいいけどね」 「ふざけんな!お前には関係ない!!」 「まぁたそんなこと言って。ナルトってば状況わかってる?俺、今ナルト殺せるのよ?」 それがどうした、と。 叫んだつもりだったが、熱を持ち始めた胸部のせいで、それは叶わなかった。 堪えきれず、ナルトは顔を歪めて唸る。 「く、ぅ―――――ッ!!」 「…………ナルト?」 灼熱の塊がそこに宿っているような、そんなイメージ。 熱源は激痛を伴い、心臓を何かに食い散らかされているような錯覚に陥る。 ナルトの額からは、嫌な汗が噴き出ていた。 「い、たぁ…………クソッ!」 「ナルト、どうしたの―――――ナルト!?」 ナルトの尋常でない様子にようやく気付いたカカシはすぐさまナルトを解放したが、 ナルトは胸を掻き毟るようにして縮こまるばかりである。 厚手のベストに爪を立てても、気休めにもならない。 カカシはナルトを抱き起こし、意識確認のためナルトの頬を叩いた。 「ナルト!!」 すると。 「―――――っさい、んなに怒鳴んなくても聞こえるっつーの…………」 弱々しいが、確かに意識は保っている。 気絶する程の痛みという訳ではない。 気絶することができない程の、想像を絶する痛みなのだ。 痛みに対して誰よりも免疫があるナルトでも、さすがにこれには無条件降伏するしかない。 「一体どうして―――――って、まさかっ」 九尾か、と。 言おうとしたカカシの推測を、首を左右に振ったナルトが『違う』と真っ向から否定する。 「奴のせいじゃ、ねぇっ。さっきも任務中にこうなって、だからヘマしちまって、それでっ」 硫酸を被ってしまった。 しかし、本当に言いたいのはそんなことではなく。 「それで、何?」 「―――――なくしたっ」 「なくした?何を」 それには答えず、ナルトは自分の腹部に向かって息も絶え絶えに怒鳴った。 「こ、んの…………九重!いつまで傍観してるつもりなんだ!!さっさとどうにかしやがれ っ!!!」 その叱咤の声が効いたのか。 ナルトを蝕んでいた激痛は波が引くように治まっていき、ナルトの表情も和らぐ。 完全に治まったのが、それから数十秒後だった。 カカシの腕の中にいるにも関わらず、ナルトは抵抗一つしない。 それは、そうするだけの気力がないだけなのだから深い意味はないのだが、誰かに縋りたい という子供らしい願望もあってのことかもしれない。 呼吸さえも満足にできなかった解放され、欠乏していた酸素を肺の中一杯に招き入れること を繰り返していくうちに、頭にかかった靄が晴れていった。 ナルトは自分の腹を撫で、憮然とした物言いで文句を並べ立てる。 「何サボってんだよ。お前なら進行を止めることはできなくても痛みをなくすことぐらいな らできるだろうが。もったいぶるんじゃねぇっつーの…………」 返ってきた答は、『甘やかしたらつけ上がる』。 ナルトは力なく笑い、『はいはい。俺は最後の最後まで苦み抜いて死ねってことなんだ?やっ ぱお前、俺のこと嫌いなんじゃん』と、体内の店子に返した。 それ以上の返答はなかった。 「どうなってるの?」 ナルトを支えるカカシの声が、はっきりした音にならず擦れている。 それでも続けて言い直した台詞には、それなりの力がこもっていた。 「言い方を変えようか。さっきのナルトの言い分だと『苦しみ抜いて死ぬ』ような事態にな ってるってことだよね?それってどういうこと?」 ナルトは無言でカカシの胸を押し返し、ひんやりと冷たい岩の上に投げ出されていた足を見 下ろした。 肝心な時に助けることをしない気まぐれな九重が頑張ってくれたらしく、違和感ももうない。 皮膚の引き攣れぐらいは覚悟していたが、それさえも綺麗に消え、とても負傷後の足とは思 えなかった。 情けない。 こんな姿誰にも見られたくなかったというのに、よりにもよって見られた人間がカカシだなんて。 まったく、情けなさ過ぎて。 「なんか笑えるな」 「俺は笑えない。答えてよ」 「答がわかってる奴にいちいち教えてやる程、俺は親切じゃねぇ。大体、聞いてどうする」 今の今まで苦しんでいた人間のものだとは思えない程の、威圧感のある目。 顔色が悪く見えるのも、夜だからだとかそういう理由ではなく、おそらく真実のはずで。 話すことすら、本来ならば辛いはずなのに。 なんでもない顔をするから、騙されてしまいそうになる。 しかし、カカシは今だけは騙されてはいけない気がした。 一点の曇りもない一対の硝子玉が、その中にカカシの姿を収める。 「お前が聞いたってどうすることもできない。誰が聞いたって同じだ」 「どうすることもできないって、それじゃあ」 顔色をなくしたカカシが、聞きたくはないが聞かなければならない答を求め、ナルトの腕を 掴む。 その力の強さに眉を顰めたナルトは、決定的な言葉を口にした。 「綱手のばーさんの見立てだと、もって三ヶ月だそうだ。早ければ、すぐにでも」 「なんで今まで黙ってたんだ!」 激情を讃えた射殺しそうな目を向けられても、ナルトはその淡々とした語り口調を止めなか った。 カカシの怒りなど、恐くもなんともないのだ。 「お前に話す義務はない」 「そうかもしれない。だけどね!」 「じゃあ、どうしろって言うんだ。俺だって死にたいとは思ってないし、完全に諦めた訳で もない。だが、今の時点で助かる見込みもない。さっきも言ったと思うが、そんな状態でお 前に話したってどうにもならないんだ。『もうすぐ死ぬから挨拶に来た』とでも言えばいいの か?俺は必ずしもそうしなきゃいけないのか?」 そんな墓穴を掘るようなことを、人前で何度もしなければならないのか。 何度も何度も何度も何度も、繰り返し。 今まで接してきた人間全てにそうすることで義理を守らなければならないというのなら、死 ぬ前に何も残さず消息を絶つ方を選ぶ。 「そうじゃない!そうじゃないんだ、ナルト!!俺はただ」 「ただ?」 「ただ、ナルトのことが心配で―――――それだけなんだ。本当に、それだけ…………」 余計なお世話だ、と。 そう言わなかったのは、カカシごときが『これだけ心配しているのだから知らせられるのは 当然だ』と考えを持っていたことの傲慢さに言葉を失ったのと。 もしそう言ってきたのが日向の―――――例えば幼馴染達だったらと考えると、『果たして自 分はそんなことを言ってもいいものだろうか』という躊躇いの気持ちがあったからだ。 だからナルトは何も言わずに、自分の腕を掴んでいたカカシの手を外した。 「お前、もう帰れ」 「『帰れ』って、そんな」 「何度も言わせるな。帰れ」 突き放すような、それでいて強い言葉に。 カカシは息を飲み、それでも『そんな訳にはいかない』と反論した。 「一人になってどうするの?満足に動けないくせに」 「しばらくしたら完全に回復する。だから構うな」 「構うよ。帰るなら二人で帰ろう、ね?」 「カカシ!」 『いい加減にろ、さっさと行け』と、目線で促され。 カカシは悔しげにナルトを見たが、ナルトにまったくその気がないことを認めるざるをえな くなり、不本意ながら立ち上がった。 「…………五代目に報告させてもらうからね」 「好きにすればいい。ただし、それ以外に洩らしてみろ。地の果てまでも追いかけて、必ず 息の根を止めてやる」 「ナルトにされるならそれも本望だけど…………最後に一つだけ、聞いていい?」 ナルトが黙っているのことを許可と受け取ったカカシが、つい先程の会話を思い出しながら 言う。 「ナルトは、何をなくしたの」 「…………シルバーの、指輪。内側にルビーがはめ込んであるヤツ」 どこかうっとりと夢見心地で語ったナルトも、しかしすぐに表情を曇らせる。 「でも、なくした。一番大切なものだったのに―――――ったく、ザマァない」 イタチとおそろいの指輪。 互いの目の色の石をはめ込んだ指輪。 イタチと自分を結ぶ数少ない接点だったというのに、なくしてしまった。 なくしてしまった。 「探さないの?」 「とっくに探したけどなかった。光物だから、動物にでも喰われたのかもしれない」 「そんなに大切な物って言い張って、それで落ち込んでる割には、もっと探せば見つかるか もしれないのにもう諦めるんだ?すぐ側に暇してる俺がいるんだから、『一緒に探してくれ』 の一言くらいあってもいいんじゃないの?」 「…………誰がそんなことっ」 だって、仕方ない。 大切だった。 だが、鎖が切れた時にイタチとの繋がりも絶たれたような気がして、馬鹿みたいに恐くなっ たのだ。 イタチは何度も誘いの言葉を掛けてくれたが、ナルトが執念深く昔のことを引き摺り、意地 を張り続けているから、愛想をつかされたかもしれないという思いが唐突に強くなってしま って。 もう時間だってないのに、イタチから今度こそ完全に見放されたら立てなくなると。 現実になってほしくないことまで、急に現実味を増したようで。 本来ならば、カカシの言う通り、大切な物なら簡単に諦めるべきではないのかもしれない。 だが、そんなことを思うと、そうする気力までも削がれてしまうのだ。 だってもう、自分から離れていってしまった物だから。 「だから、もういい…………っ」 「望めば簡単に手に入る物だってあるのに、ナルトは諦めるのに慣れ過ぎなんだよ」 そうさせたのはどこのどいつだ。 そんな意味を込めて、イタチと同じ目を睨む。 「それに、それを貰った女―――――いや、男かな?その人物にやけにこだわってるみたい だね。その人に何されたの?」 「うるさい、黙れ!!」 一度置いてきぼりを喰らった人間にその台詞は禁句だった。 なんでこんな飄々とした男に、こんなことを言われなければならないのか。 なぜ、傷口に塩を塗り込まれるような思いをしなければいけないのか。 この男にどんな権限があって、自分の中をここまでかき回すのか。 強固な壁にできたひびに杭を打ち込むようなこの言動が、許されてもいいものなのか。 「俺が誰にこだわっていようが何をされようが、テメェには関係ねぇだろうが!!無駄口を 叩いてないでさっさと里に戻りやがれ!!頼むから!!!」 これ以上、自分を覆う殻を壊さないでくれ。 無防備な本心を暴かないでくれ。 「…………わかった、もう何も言わない」 そのカカシの一言に、ナルトは無意識のうちにほっとした。 これでこの殺伐とした会話を止めることができると。 この話題から逃れることができると。 ナルトに背を向けかけたカカシが、何かを思い出したように短い声を上げる。 手の中にポケットから取り出した何かを収め、その手をナルトの方に伸ばしてきた。 見えるが、手の届かない距離だ。 「俺さ、こんな物拾ったんだけど」 そう言って開かれた手の平の中にあったのは。 あったのは。 「―――――ッ!!!」 なくしたはずの、指輪。 目の前が真っ暗になった。 これがどうして、よりにもよって目の前の男の手の中にある? どうして。 ナルトの表情を見たカカシが、皮肉気に笑う。 「ナルトが『仕方ない』から諦めて『もう探さない』って言うなら、これを俺が持っていて も全然問題ない訳だよね?」 ナルトはどこか遠いところで、誰にも壊せないはずの自分の強固な殻が、音を立ててガラガ ラと崩れるのを感じた。 終わりに向けての本格的なカウントダウンが、始まった。

END

†††††後書き††††† あらやだ、カカシさん。ただのへタレで苛められキャラだと思ってたら、最後の最後でとん でもないことをしでかしてくれましたね。自分で書いてて『うわ、何コイツ。最低!』と思 いました。でも、そろそろナルト君に揺さぶりをかけなきゃと思っていたので、ちょうどい いと言えばちょうどいいのかも…………こういう形になるとは予想してませんでしたけど。 たぶんカカシは、指輪の贈り主に気付いているのではないかと思われます。だから嫉妬のあ まりあーゆー行動に出ちゃったんですね。もちろん、指輪はナルト君が満足に動けないのを いいことに、そのままお持ち帰り。 ―――――っつーか、カカシのこの行動って冷静に考えれば小学生の愛情表現ですかね?
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